2014年7月26日土曜日

【45】怪獣ノーザンソウル

 そういえば、ここでお伝えしてなかったのですが、2月に発売した「ノーザンソウル・ディスクガイド」(シンコーミュージック刊)に執筆で参加しております。

 
 
 30枚のシングル盤を紹介しています。
 執筆作業は楽しくもとても大変で、けっこう煮詰まった時期もあり、ある時心の師・神戸ヌードレストランのDJイズミさんに電話で相談しました。

 「俺、何書いたらいいんですかね?」

 それに対してのイズミさんの答えは、こうでした。

 


 「ウッシは怪獣好きやから、曲の良さを怪獣に例えたらええんちゃうん?」

 


 さすが生粋のモダニスト。こちらの予想の斜め80度くらいを行く回答に面食らいましたが、僕としてはイズミさんのアドバイスをまさか無視するわけにもいかず、「そうっすね!そうかその手がありましたね!」。
 実際にMARY SAXTONのシングル紹介の項で、ノーザンソウルに無理やり怪獣をぶっこむという離れ業に挑んでおります。興味のある方は是非チェックしてみてください。


 そんなわけで寝ても醒めてもノーザンソウルのことばかり考えているわたしですが、怪獣も大好きです。
 物心ついたときから中学生2年くらいまで、今のノーザンソウル熱と同じくらい怪獣に夢中になっていました。
 幼稚園~小学校低学年の時などは、公園の砂場で「ウルトラマン博士」と呼ばれ、周囲の尊敬を集めていたものです。
 あれ以来、他人から尊敬された記憶が特にないので、あの公園の砂場の頃が自分のピークだったのでは。と思うときもあります。
 で、小学校高学年にもなればふつうみんな怪獣は卒業します。ある朝、「おい、今度のゴジラは新怪獣と戦うらしいぞ!」なんて教室に駆け込んでも反応は冷ややか。「あれ、みんなどうしたんだろう。」と思うわけです。
 気づいたらみんな、歌謡曲のヒットチャートを追いかけたり、ファッションを追いかけたり、あるいは女の子を追いかけるようになっていたのです。
その頃まだ母親が買ってきた服を着ていた僕は、孤独に怪獣を追いかけるようになりました。
 それでも小学校のうちはまだ話しの出来る友がいましたが、中学生にもなるといよいよ自分ひとりだけになります。
 中学男子ってふつうみんなジャンプの最後らへんに載ってる広告ページにある通信販売のギターとか気になってくる年頃のはずですが、自分は夢の中でも怪獣が出てくるくらい、いつも怪獣のことを考えていました。
 周囲に背を向け、ひたすら自分の信じるものを追うその姿は、60年代の後半に、流行やトレンドに流されるロンドンのシーンに背を向け、ひたすらレアな米国のブラック・ミュージックを追い求めた英国北部の若者たちの姿を思い出させた・・・・というのはもちろんこじつけですが、でも頑張ってたと思います。


 中学2年でビートルズに出会い、いったん怪獣は卒業(遅すぎ)するのですが、成人してくらいからまた「やっぱ、いいよな。怪獣。」と怪獣愛が復活し、昔のようにソフビ人形やらポスターやら買い込むことはさすがにないですが、DVDや名画座なんかでまめに作品を鑑賞して楽しんでいます。

 特にここ5年くらいは昭和の邦画ばかり観ているので、「日本映画としての怪獣映画」としての視点で観るととても再発見が多く、「怪獣が出てこなければ映画でない」なんて思ってた?頃には到底わからなかった楽しみがあります。5060年代の作品なんかは特に登場人物のファッションや街並みも楽しいし、女優さんの美しさを堪能するのもガキの頃にはなかった視点。というか最近は怪獣よりもそっちばかり観てるかも・・・・

 いや、そんなことはない。やはりメカゴジラ(昭和)が登場するシーンとか気が狂いそうなくらい興奮するし、「故郷は地球」をこないだ久しぶりに観たら見終わった後しばらく体を震わせて泣いた。

 

 そして先日、ついに怪獣とノーザンソウルという、自分が人生を賭して追い求めてきた全く違う文化二つが、一枚のレコードにて交差したのです!

 もちろんそんなレコードがまともなレコードなわけがないので、今日はキワモノ盤紹介!



THE MOONS/ "GAMMERA"

 


 大映が世界に誇る?大亀怪獣ガメラ。今回紹介するのは、第一作の「大怪獣ガメラ」が米国で公開されたときの挿入歌のシングルでございます。


 

 65年公開。米国での公開が1966年、題名は”GAMMERA THE INVINCIBLE”。シンプルのそのまま英語にした感じですね。


 
 ガメラといえば、東宝のゴジラ大ヒットにはじまる怪獣ブームに対し、大映のワンマン社長永田雅一が「ウチも怪獣やるぞ」とムリくり作った怪獣映画なわけですが、同じように便乗した他社の怪獣(日活のガッパ、松竹のギララ)がぱっとせずに終わったのに対し、ガメラはゴジラに逼迫する人気を集め、その後もシリーズ化されたのはご承知のとおり。空を飛ぶ亀の怪獣というかなりの冒険な存在であるのに知名度が高いのも人気の高さがうかがえます。
 平成にも復活し(僕はリアルタイム世代!)、昭和版が子供向けな内容だったのに対して、オタクが作ったオタクのための映画というべきその内容は高い人気を誇ります。


 実はこのレコードを手に入れる少し前に、ブルーレイでこの映画を観返したばかりで運命的なものを感じました。久しぶりに観たガメラ、ブルーレイの画質も美しいし、丁寧に作られているなとやはり関心しましたが、大映の名優船越英二は明らかに演技手抜いてる感が・・・。特に記者会見のシーンは、変な間合いがあって「カンペ見てないですか??ねえ、カンペ見てますよね??」と映画に集中できなかったよ。

 あと子供の味方ガメラなわけですが、第一作に登場する少年の名前がトシオ君で親近感。でもガメラに出てくるガキって見ててイライラすんだよな・・・。トシオ君もけっこう無茶やっててホント、イライラしましたね!!

 では、音楽の話に行きます。


 
 動画の15秒目くらいからスタートなんですが、怪しげな音が鳴り響く、なかなかかっこいい、ガレージィなノーザン・インストロになっていると思いますがいかがでしょう。始まって3秒で"BATMAN"のパクリだとわかるのはご愛嬌。 

 THE MOONSなるグループですが、おそらく名前だけのスタジオグループだと思います。ウラ面は「ガメラ~~」のコーラスがないインストバージョンですが、最初からインストみたいなもんじゃん・・・トホホ。
 こういうガレージテイストなノーザンはけっこう昔から根強い人気があり、最近のKEB DARGEなんかのRockabillyやTittyshakerの路線とも相性がいいですね。

 で、劇中のどこでこの曲がかかるかですが、ヒマなアメリカ人がなんとフルでアメリカ公開版をアップしてくれてたので一応ここにも貼っておきます。このあいだ観たばっかりなのにまた観ちゃったよ。米国公開版はあっちの俳優が出ている新撮シーンもけっこうあります。



 曲が使われているのはこの動画でいうとちょうど一時間くらいのシーン。ガメラが東京を破壊する、映画のハイライトともいえるシーンです。
 時はエレキブーム真っ只中、ガメラが来てるのにそっちのけでディスコで踊り狂う若者たち。日本版ではどっかの日本のエレキバンドが演奏してる音楽が使われてますが、アメリカ版ではその音楽がこのTHE MOONSの曲に丸々差し替え!!非常に画面にマッチした、日本版よりカッコいい名シーンとなっています。これは観てよかったな。ありがとう、ヒマなアメリカ人。
 警察が「ガメラが来てるぞ!逃げろ!!」と注意しに来るのですが、エレキ狂いの若者は「そんなの知るか!俺たちを止めることはできないぜ!」とそのまま踊り狂い、ガメラが建物を壊して下敷きになってたぶん死にます。

 エレキなんかにうつつをぬかしてるとこうなるぞという製作者のメッセージを感じます。


 僕も、ノーザンソウルで踊ってときに怪獣が来ても、おそらくそのまま踊ってる予感がします。踊りながら死ねるなら本望かな。

 そういうわけで、ホント自分のためにあるようなシングルでした。1000円なり。
 ピクチャースリーブ付もあるらしく、それがカッコイイのでそれも欲しくなってきました・・・。でも調べたらけっこう高値なんですよ。PS付きは。

 

 

 でもDJで使うとき、あるかなぁ~~~~~。



 <おまけ>

 50年代~60年代のNYの広告代理店を舞台にした、アメリカの人気ドラマ、「MADMEN」で、登場人物がこの"GAMMERA"を映画館に観にいくシーンがあります。クリスマスの日に諸事情あって家にいれない主人公と、イギリス人の同僚が「せっかくだから映画でも見に行こう。何がやってる?」と調べて観にいくのがなんと「ガメラ」笑。なかなか笑えるシーンです。ガメラも画面にけっこう出てきます。
 フル動画もいっぱいあがってるので、アメリカのオタクにはけっこう人気なのかなあ。


 

2014年7月2日水曜日

【45】Tower Of Strength

 今日も明日も明後日も犬のように這いつくばって働き、へとへとになって帰宅するのだが、部屋に入る前にポストの中身を確認するかどうかは些細ではあるがなかなか重要な問題だ。

 人間というのは、疲れててもポストを確認できる人間と、できない人間に分かれる。

 僕はというと、時期によって変わる、という感じか。つまり、レコードを海外から買ったりしてて、そろそろ届くな、という頃になると、きっと郵便局の不在届けが入ってるからこまめにポストを見る。
 一日何回も見る時もある。プリーズ MR.POSTMAN~ルッカンシー、なんてハナ歌も歌いながら快調そのもの。

 しかしお金が無くてレコードが買えない時期や、欲しいものがなくて買わない時期などはうちのポストは荒れ放題。荒れていくと更に開けるのがおっくうになるという悪循環に陥る。
 だいたい、そういう時期はポストを見てみてもロクなものがはいってない。「この日までにこのお金をここに支払いなさい」とか、「来月からこの料金がこれだけ値上がりします」とか、「この神様を信じなさい」だの。もしくはピザの宅配サービス(嫌いではない)、または若い女性の宅配サービス(利用したことはないがそんなに悪くないものだと聞いている)など、気が滅入るものばかりだ。恋文とかファンレターが入っていることは、無い。まさにミックジャガー氏がいうところの「USELESS INFORMATION」ってやつだ。

 かといって、「その手には乗らないぜ」とそのUSELESS INFORMATIONに完全無視を決め込んでも、ある日シャワーを浴びようとカランをひねっても冷水しか出ず「ひゃあ。ひゃあ。」と一人孤独に悶絶する羽目に陥ったり、または思い切って冷蔵庫に貼ってあったチラシを頼りにピザを注文したら、店員に「その商品は冬限定でとっくに販売終了となっております」など冷たく言い放たれたりする。

 世知辛い世の中。

 だからポストは常に中身を空にしておくのが好ましいのだが、本当にもうそんな気力も無いくらい、へとへとに疲れきっている時だってあるだろう。

 そんな時に聴きたい曲がある。



GLORIA LYNNE / YOU DON'T HAVE TO BE A TOWER OF STRENGTH (EVEREST)




 ノーザンソウルといえば、63、4年以降の、アップテンポなビートの音楽をイメージする人が多いと思うし、それももちろん間違いではないのだが、イギリスのノーザンソウルシーンではそういう枠にとらわれない本当に多様なサウンドが同じ「ノーザンソウル」として認識され、親しまれている。

 それを面白いと思うか、意味が分からないと思うかで、その後のその人のノーザンソウル人生は決まるといってもよい。

 その多様なサウンドの中には、いわゆる「アーリーソウル」と一般的に呼ばれるサウンドの曲調のものも人気だ。「アーリーソウル」も定義が少し難しいが、おおまかにいえば言葉どおりソウルミュージック黎明期、つまり「ソウルミュージック」という言葉が使われる前の音楽で、その後のソウルの原点となった音楽のこと。バンドサウンドというよりも、オーケストラ、流麗なストリングスなどが使われていたりポピュラー寄りな音なのが主な特徴か。例えばSAM COOKEが遺した音楽などは、ほとんどが「アーリーソウル」といってよいだろう。OTIS REDDINGMGsをバックに箍が外れたようにガッタガッタいうようになる前の、あくまでまだポピュラー音楽のひとつとしての黒人音楽であり、よってある種の抑制が効いているわけだがそこがまたいいんである。

 ノーザンソウルシーンでこういうアーリーソウルや、R&Bなどソウル以前の音楽のサウンドが急激に人気になったのはやはり80年代、Staffordで開催されていた"TOP OF THE WORLD"のDJ(GUY HENNIGANともちろんKEB DARGE)のディスカバー・選曲によるところが大きいだろう。70年代にWIGAN CASINOなんかで人気だったアップテンポなストンパーから、こういったある意味「渋い」(あまり好きな言葉ではない)サウンドへの変化は、ノーザンソウルの歴史におけるもっとも重要なシフトチェンジであったという人は多い。




 今回紹介するのはジャズ・シンガー、GLORIA LYNNE61年録音。お聴きの通りしっとりと歌い上げた曲だが、アップテンポでダンスにも向いている、そのためノーザンソウルとしても人気である。Staffordで好まれていたようなサウンドともまた異なるが、はまるとなんだか中毒性のある曲だ。
 曲はバート・バカラックによるもので、ソウルというよりはポップスといったほうが正しいかもしれない。前途のとおりジャズシンガーであるから、いかにもな作品といえるだろう。

 Gene McDanielsのヒット曲「Tower Of Strength」へのアンサーソングである。もちろんそれもバート・バッカラックが作曲で、まあこの原曲はこの際どうでもよいのだが「TOWER OF STRENGTH」という言葉は気になる。直訳すれば「強さの塔」なわけだが、まあ「強さのカタマリ」って感じかな?
 Geneの曲は大まかにいうと、弱い男の歌だ。僕はTower Of Strengthになりたい、そして君に君の事なんか愛してないんだ、といって、ひざまづいて許しをこう君を背にドアを開けて出て行きたい、でも僕はそんなに強い男じゃない、という内容の歌詞である。

 Gloriaは、「あなたはTower Of Strengthになる必要はない、英雄になんかなならなくていいの」と歌う。あなたがして欲しいことはなんでもするから、それよりわたしを抱きしめて、絶対にはなささないで、とGloriaは続ける。

 ぐっときますよねえ。男性諸君。


 本当ならこういう科白を、和服の美人、例えば若尾文子や山本富士子なんかの昔の大映の女優さんなんかいいですな。に、お酌をしてもらいながら言ってほしい気もするが、もちろんそんなことはないし、今のところ大映時代の若尾文子や山本富士子を自宅に宅配してくれるサービスもなさそうなので、結果このレコードを家で独り聴くことになる。

 へとへとになって疲れきって帰ってきて、このレコードに針を落とすと何だかとてもホッとします。

 明日も頑張りましょう。


 

 ・・・・というわけで、しれっとものすごく久しぶりの更新となってしましましたがこのまましれっと終わります。今後は頑張ります!


 さて次のDJ情報です。

 NIGHT FOX CLUBは7/26土曜日です!影のレギュラー、ADAMも今回参加で盛り上がること間違いないですね。フライヤーはDEE CLARK!

 安定のノーチャージです、是非遊びに来てくださいね。



NIGHT FOX CLUB
Rare 60's Danceable Northern Soul Drop&Moves,
Motown,R&B & 70's Soulful Dancers
http://nightfoxclub.blogspot.jp/

Sat 26th JULY 2014 
Start 19:00~Until 23:30 
@Menphis Kyodai SHIMOKITAZAWA
Admission FREE!!!
http://memphis-kyoudai.blogspot.jp/

DJs
Stormer Tamai (Stormer & THE STOLEN HEARTS)
Akira Sekiguchi
uCjima (DOTS'n'LINE)
Adam Tore
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2014年1月9日木曜日

The Gift(1月のDJ予定)

 海外から来るレコードはEMSで来るので、よく家のポストには郵便局からの不在届けがはいっている。幸い近所に大きな郵便局があり、そういう大きな郵便局は24時間開いている窓口(郵便を出したり受け取ったりできる)があるので活用している。これなら仕事が遅くて家に帰るのが配達時間にいつも間に合わないような生活でも、いつでも自分の好きな時間に行って受け取ることができるのだ。
 ただ当日の配達分を受け取るにはその日の23時以降にならないとできないので、自然と郵便局に向かうのは深夜の時間帯となる。家に帰ってポストの不在届けを確認、部屋にはいって一服、まだ23時までちょっと時間あるな、なんて音楽聴いたりDVD観たりうたた寝(←一番多いパターン)なんかしてしまうと郵便局に向かうのは2時とか3時とかになることもある(寝ろよ・・・)。

 当然しんとした郵便局に入るわけだがごくたまに他の利用客がいることがあって、まあ深夜の郵便局に来るような人ってのは変な人が多いのか、たまに変な光景に出くわす。



 ①野球おじさん
 列の前にいたおじさん、荷物を受け取り(同時に出していた、それに関して局員と非常に長いやりとり)、カウンターでその場で開封。箱から出てきたのは新品の野球グローブで、おじさんはグローブを何のためらいもなく己の手にはめ、はめたまま局を後にした。ものすごくニヤニヤしていた。僕もなんか、対抗意識がうまれ、自分も荷物をその場で開封し、ニヤニヤしようと思ったが来る盤の盤質に不安(VGマイナス)があったため、開封してもニヤニヤどころかガッカリする可能性があったため、結局家に帰ってから開封。
 野球帽をかぶっていて、少年野球のコーチとかそんな感じの人だった。あと同時に出していた荷物の箱と受け取った荷物の箱がまったく同じものだったので、もしかしたらグローブの文通でもしてるのだろうか。世の中にそういった種類の文通があるという話は、特に聞いたことが無いが、そういう文通があったら素敵だとおもった。


 ②箱を切る女
 これは逆に早朝(5時くらい)に行ったときの例。オール明けで帰り道に寄る際なんかはこういう時もある。不在票を紛失してしまい荷物を探してもらったのだが、その間局の椅子で夢と現をさまよいながら待っていたら(すごい時間がかかった・・・すいませんでした)、女性が大量の荷物を出しにやってきた。全てEMSで、局員が「韓国ですね?」との問いに女性はカタコトの日本語で答えたのでたぶん韓国人の女性。ひとつひとつ荷物を出し、そのたびにお金を払う。まとめて出せ!とみてるこっちが少しいらいらしたが、最後に残っていた大きめな箱はサイズオーバーだ、と局員に断られる。すると女性は「ハサミかしてクダサイ」と郵便局のハサミをかりてボール箱をカットしはじめた。箱内に余分なスペースがあったため、箱を切ることによってサイズを小さくする作戦のようだ。局のカウンターにダンボールのかけらを撒き散らしながら作業した結果作戦は成功し、箱のサイズはだいぶ縮まったがそれでも日本郵便の規格制限をクリアすることはできなかった。すると今度は中の荷物を縮小し、更なるスペースを作る作戦に出、中の荷物をぎゅうぎゅうに押し込めはじめた。全体重をかけ、「こなくそっ、このっ」とか韓国語で言いながら(たぶん)、すごい勢い。中になにが入っているのか良く分からないが、ネットオークションで取引する人がこの人だったらすごくヤだな・・・・と思いながら見守っていたが、それでもクリアできず。すると、なんと「これ以上小さくはできない」と局員にクレームをはじめた。こんな逆ギレはじめてみた。結果が気になったがそこで自分の荷物が見つかってしまい、帰宅。
 
 ダンボールを必死でカットしている女性を見てると、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「THE GIFT」という曲を思い出した。遠くに住んでる恋人にあいたい&驚かせたくて自分がデカい箱の中に入って彼女の家まで届けてもらう男の歌(というかポエトリーリーディング+ジャムセッションみたいなの)。 突然遠くの彼氏からデカい箱が届いた女は「あのバカ」と呆れる、実はもうとっくに彼のことは見限ってたのだった。で、一緒にいた友達とラリった状態で箱を開封しようとするも、中の男が頑丈に封したためなかなか開かない。中で男はワクワクしながら待っている、すると女の友達が「コレで開けましょう」と電動ノコギリを持ち出す、電動ノコギリで箱は真っ二つに・・・という救いのない内容の曲・・・。



 


 まあ、自分も「頻繁に海外から来る平たい正方形のボール箱の荷物をいつも夜中に受け取りに来る(たまに海外におなじようなボール箱を出す時もある)あの人、仕事なにしてんだろうね?」と局員から思われてるかもしれない、という気はしています。


  さて、今月のDJの告知です!!


 まずは17日金曜日、我らが「ノーザン叔父貴」ことカッチンさんのワンマンDJイベントに、サポートDJとして参加いたします。

 


 現在は主にノーザンソウルメインでDJしているカッチンさんですが、ここに至るまでには本当に沢山のダンスミュージックをDJで扱われてきました。
 先日ヌードレストランに出演された際に自分も同行しましたが、車中でかかっていたミックスCDが、あまりにも様々なジャンルを横断しており、つい

 「カッチンさん、これ誰のミックスですか???」

 と聞いたら

 「俺だよ!!!」

 とのことで愚かにもビックリしてしまいました。このワンマンDJでは現在のノーザンソウルだけでなく、様々なダンスミュージックが聴ける一夜となりそうです!
 そして同じサポートDJとして参加する、原宿のロカビリーショップAttractionsのスタッフであり、カッチンさんとTAGO!さんのCRAZEE GOLD MINEのレギュラーDJでもあるATSUSHI君と一緒にできるのもすごく嬉しい!!彼はほんとにカッコイイ奴です。若くて男前です。ちなみに既婚です。

 というわけでオットコマエ!なお二人と共演ということで、面白い顔担当でがんばります。場所はいつもお世話になってるメンフィス兄弟です。是非遊びに来てください。

 
 そしてその翌週は、おなじメンフィス兄弟にて今年最初のナイトフォックスです!

 

 2014年を迎えまして11年目に突入するNIGHT FOX CLUBですが、ノーザンソウルを扱ったイベントとしては、間違いなく東京では最も長く続いているものです(途中お休みした時期もありましたが)。
 紆余曲折ありつつ現在に至っていますが、現在はStormer氏、ぐっさん、イチさんそして自分のメンバー、そして会場はメンフィス兄弟。での開催が定着してきました。
 2014年は昨年の東京ノーザンソウルシーンのビッグバンのような展開を踏まえつつ、またNIGHT FOXの独自の展開ができたらなと思っています。

 まあつまり、いつも通りやっていきます!!

 今回も来日中のアダムが参加。これが終わったらまたしばらく帰国かな??
個人的には最近オブスキュアなシングルの発掘に心血を注いでいるStormer氏のセット楽しみです!

 僕は最近手に入れて気に入ってるこれなんかを。
 ディープソウルファンに人気のシンガーですが、この曲はプロデュースがJAMES CARMICHAELなので音がノーザンソウル!
 しっかし素晴らしい歌声だな~~~~塩っ辛い!!
 地味に聴こえるとこもあるかもしれないけど、こういう音楽を長く愛したい。

 

 では今年もまた皆さんとノーザンソウルでお会いしましょう!

2014年1月8日水曜日

【映画】「ウォールフラワー」

 あけましておめでとうございます!!


 2014年もどうぞ宜しくお願いいたします。


 挨拶は簡単にこれくらいにして、以下、本来FBで投稿しようと思ったら長くなったんでこちらにてアップです。




 新年初映画は「ウォールフラワー」を観てきました。





 90年代初頭のアメリカの高校を舞台にした青春映画です。原作は「ライ麦畑」の再来といわれアメリカの高校では推薦図書にしてる学校もあるとか。

 「文系男子の典型みたいな主人公は、高校に入学早々、当然孤立するが、ふとしたきっかけで仲良くなったイケてる兄妹の導きで、学校のはみ出し者グループ(GOTHやGEEKなど)に入って青春を謳歌する」

 大まかにいうとこういう内容です。

 しばらく前からわが国でも話題というか問題になっているスクールカースト」ですが、アメリカではもうずっと前(80年代)から映画等では扱われていて、高校を舞台にした青春映画なんかでは、もうそれなしでは話が成立しないくらいのものです。
 この映画でも当然、それは出てくるのですが、その手の青春映画をかなり熱心に見てきた自分からいうと、描写がさらっとしてるというか、そこらへんあまり突っ込んでいない印象でした。GOTHの女の子やPUNKの女の子が、普段学校でどんな迫害を受けているのかの描写が乏しい(日本のスクールカーストなんてアメリカのそれにくらべればへでもないです)。気の合うはみ出し者どうしで集まって、好きな音楽や映画で盛り上がってなんか楽しそうじゃんと思ってしまう。
 たぶん原作はもっとそこらへんが密に描かれているのでしょうが。

 個人的に一番共感したシーンは、主人公が好きな国語の授業で、先生がマニアックな質問を生徒に問うが、自分は答えを知っているのに押し黙ってしまうとこ。
 クラスで目立ちたくない、となるべく小さく縮こまるように日々、教室の片隅で過ごしていたのを思い出しました。



 そして舞台の時代背景を感じさせるBGMがやっぱ素晴らしかった!英国の80年代の暗いニューウェーブやインディーバンド、グランジオルタナ前夜の音楽が満載。主人公が恋する、イケてる兄弟の妹がスミスファン(意気投合するのもスミスがきっかけ)なのには、思わずまたスミス好きの女かよ!」と思ってしまったが(アメリカ文系男子の女神ってなんでみんなこうも揃ってスミス好きなんだろ)・・・。

 まあ、青春映画で、そういうのがBGMだったら、それだけでイイというのが正直なところあります。

 劇中の重要な曲となるボウイの「ヒーローズ」ですが、この曲には僕もせつない思い出があります。



 
 17歳のときボウイの音楽にどっぷりはまってしまったのですが、その頃2週に1枚くらいのペースでボウイのアルバムを買っていました。
 「ヒーローズ」は名盤であると知っていたので、ちょっと寝かした末、ある時ついに聴くぞ、と買ったのですが、帰り道にどこかでなくしてしまった。
 ちゃんと持っていたはずなのに、家に着いたら神かくしみたいに消えうせてしまっていた・・・
 買った近所のCD屋から家までのルートを、どこかに落ちてないか植え込みなんかまで探しましたが見つからなかった。
 とても寒い夜だった。
 「ヒーローズ」を聴きたい魂に火がついていて、それを消すのは不可能なくらい勝手に盛り上がっていたので、結局閉店間際のさっき買った店に飛びこんでまた「ヒーローズ」買ったのだった。
 顔見知りの店員のひとの、「えっ、ヒーローズまた!?」という顔は一生忘れない。
 家に帰って聴いた「ヒーローズ」も一生忘れない。ボウイは「僕たちは一日だけなら英雄になれる」と歌っていたが、そこに俺ははいってないんだろうなと思った、って書いててぜんぜん面白くない思い出だなあ、この映画みたいなのがいいなあ

 きっと、この映画みたいな思い出が、僕にもあるはず・・・忘れてしまっただけで・・・

 思いだしたらまた書きます!

 英雄になれない人間もいる!という話でした!




PS エマワトソンのロッキーホラーショーはズルい!あれで一本撮ればいい

   書いた後に気づいたんですが今日はボウイの誕生日でした・・・・